鯖が吹き飛んでqmailを入れ直しになったので、その時の記録。
使用OSはDebianLinux(lenny)。

今回は外部向けなので、踏み台にされたりしないように注意しながら構築していく。
とは言っても、qmailは基本的にはセキュリティが固めの設定がしてある。
DebianLinuxではapt-getである程度パッチの当たったソースコード(古い情報だけど、当たってるパッチ一覧)になっているが、一つ当たっていないパッチがある。
ユーザ名に記号が使われた時の対応パッチだ。
デフォルトでは何も文句を言わずに対象のメールを受け取ってしまう(さすがにドメインは設定したメールしか受け取らないが)。
そこらへんのパッチも当てつつ、頑張るとしよう。

# apt-get remove exim4-base
# apt-get install qmail-src ucspi-tcp-src
# build-ucspi-tcp

ここまでは特にデフォルトで問題ないと思う。
exim4-baseの削除はDebianLinuxを新規インストールした直後にqmailを入れる場合は、元に入っているMATを消す必要があるので入れてある。
該当しない環境の人は無視してよい。
では、問題のqmailをビルドする。

# build-qmail

途中のパッチを当てるタイミング(Press ENTER to continue…が出てる所)で、別コンソールからパッチを当てる。
当てたいパッチはqmail-smtpd-relay-reject
ただ、このパッチはパッチを当てる順番により、今のDebian側で付けたパッチの後では一箇所パッチが当たらない部分がある。
そこはパッチファイルとソースファイルとにらめっこして修正しよう。
どうせ一箇所だし、パッチ作っておくのメンドイ(酷)
デフォルトでビルドした場合は解凍されたソースが/tmp/qmail/qmail-1.03に展開されている。
wget等でtmpあたりにパッチを落としておいて以下のコマンド。

# cd /tmp/qmail/qmail-1.03
# patch -s -p1 < ../../qmail-smtpd-relay-reject

その場にqmail-smptd.c.rejという名前でエラーで弾き出された部分のファイルが生成されるので、それを参照してqmail-smptd.cを追加修正しておこう。
一行書くだけだ。
で、元のコンソールに戻ってデフォルトで進んでいけばインストール完了。
まだメール鯖としては不完全なので、止めておこう。

# /etc/init.d/qmail stop

qmailの設定ファイルを弄っていく。
場所は/etc/qmailで、デフォルトでは自分自身の鯖のメールしか受け取らないし、転送すらしてくれない(と思う)。
それぞれのファイルを確認・修正・追加をしていこう。
なお、これらのファイルの書式はドメインごと改行で区切っていく。
設定例はhage.hoge.com(hageがホスト名でhoge.comがドメイン名)として、DNSの設定によりhoge.comでもメールを受けれるようになっている物とする。

me:自分自身のドメイン名

hage.hoge.com

locals:ローカルの物として処理するドメイン名

localhost
hage.hoge.com
hoge.com

rcpthosts:転送を許可する宛先のドメイン名

hage.hoge.com
hoge.com

plusdomain:ドメイン部分に+が付いた時に追加するドメイン名

hoge.com

defaultdomain:ドメインが省略された場合に書き込まれるドメイン名

hoge.com

こんな感じだろう。
rcpthostsがこの中では一番重要なファイル。
これを削除してしまうと、その鯖は赤い絨毯が敷かれたスパムの踏み台。
お上品の欠片も無いスパマーが上って、やりたい放題メールを飛ばされてしまうので注意しよう。
受け取るべきメールのドメイン名のみを書こう。

後、ダブルバウンス対策(Fromを偽られた上にエラーになってFromの部分のアドレスに返って来るメール)もしておく。
どうせ読まないので、そのまま破棄する設定にする。

# touch doublebounceto

qmailはrootでメールを受け取る事は出来ないので、どこかのユーザにメールを転送する必要がある。
メール管理者のメールも一緒も転送する。

# mkdir alias
# echo '&メールアドレスまたはユーザ名' > .qmail-root
# echo '&メールアドレスまたはユーザ名' > .qmail-mailer-daemon
# echo '&メールアドレスまたはユーザ名' > .qmail-postmaster

次に起動スクリプトをいじって、Maildir形式に対応する用にする。
/etc/init.d/qmailの「alias_empty=”./Maildir/”」を有効にして、他のalias_emptyは#でコメントアウトする。

各ユーザのホームディレクトリにメールを受け取る領域を作る。
メールを受け取るユーザになって、自分のホームディレクトリで以下のコマンドを発行。

$ maildirmake Maildir
$ echo './Maildir/' > .qmail

これでメールを受け取る環境を作成完了。
ユーザ新規追加時のディレクトリにも適用するのであれば、管理者で以下のコマンドを発行。

# maildirmake /etc/skel/Maildir
# echo './Maildir/' > /etc/skel/.qmail

このままでの設定によりメールは受け取る事が出来るが、外部に送るメールは許可されていないので配送できない。
鯖が設置されているローカルのIPに関してはメール転送を許可する必要がある。
ローカルIPの範囲を192.168.255.0/24として自分自身127.0.0.1を含めて許可する形で、/etc/tcp.smtpを編集する。

127.0.0.1:allow,RELAYCLIENT=""
192.168.255.:allow,RELAYCLIENT=""

これを元に認識できる設定ファイルを生成する。

# tcprules /etc/tcp.smtp.cdb /etc/tcp.smtp.tmp < /etc/tcp.smtp

これでローカルIPである192.168.255.0/24と鯖自身は自由なドメインにメール転送が出来るようになる。ここもスパマーの餌食にならないように注意する設定ですね。

以上で準備完了なので、qmailを起動する。

# /etc/init.d/qmail start

内部や外部からテストメールを送ってみたり、不正中継チェックをしてみたりして動いて安全か確かめましょう。
もしかしたら、起動してもプロセスが落ちるかもしれないのでこの記事も参考にしたら解決するかもしれない。

後はメールクライアントで読む為にpop3関係とかimap関係とか入れると良いだろう。
私はimapでcourier-imapを入れてます。

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